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キューバ共和国(Republic of Cuba)
面積 110,922平方km 人口 1,124万人 首都 ハバナ 言語 スペイン語
民族 ヨーロッパ系25%、混血50%、アフリカ系25%
外務省HP2012年6月現在基礎データより
キューバといえば「革命」「カストロ独裁政権」というイメージがどうしてもつきまとう国である。しかし実際に訪れて驚いたのは、社会主義国家だからさぞかし民主主義国家とかなり違うのではないかと想像していたが、現実的には社会主義でありながら、資本主義経済を真似て取り入れているところがあるのには正直ほっとした。もちろん完全社会主義を貫いている以上表向きは共産システムを通している。
この国は思っていたより、治安がよく犯罪が少ないようだ。ただ夜になると電灯の明かりが少なく空港から都心に入るのに余りの薄暗さにちょっと戸惑った感があった。ホテルの近くのマーケットやコンビニに行ってみたが、余り物がないのにはびっくりした。われわれのように物資が豊富にあることが当たり前と思っている人間にとってこの状況を理解するのは難しいかもしれない。ともかく決められた旅行日程の中でどれだけこの国を知りえるか分からないが、持ち前の闘志で旅することにする。
(第1日目)
成田を15時25分に発って日付変更線を通過して、メキシコのファレス空港に到着した。1時間30分の給油の後、16時空港を発ってキューバのホセマルティ空港に19時20分に到着した。入国手続きを終えて迎えのバスに乗り込んで、ハバナ新市街の海岸沿いに建つホテルに入った。明日からの旅行に備えて早めの睡眠をとった。
(第2日目)
7時に起床して、朝食後7時半過ぎホテルを出発して、ハバナから162km(約2時間半)離れた最初の訪問地ピナール・デル・リオに到着した。この町は人口が14万人いるキューバの大きな都市で、砂糖、コーヒー、タバコの生産地として知られている。特に、良質のタバコの葉を栽培することで知られている。そのうちの一ヶ所を見学した。
次にここから30分位の所にあるピニャーレス渓谷を見学した。この渓谷はオルガノス山脈にあり、丸い山があちこちに並ぶ景観のカルスト地形で1999年世界遺産に登録されている。
この渓谷のメーンは石灰岩が侵食されてできた数多くの洞窟で、かって先住民(インディヘナ)が住み、植民地時代は奴奴隷の隠れ家、独立戦争時代は革命家たちの隠れ家として使われた。この洞窟を地下水脈を使って船で250m遊覧して地上に出ると谷に広がる渓谷を見渡せる場所に出た。
そこでキューバの音楽を聴きながら昼食を摂った。
午後からは3時間かけてハバナに戻った。途中ドライブインで休憩に立ち寄った際、キューバの乗り合いトラック(荷台を改造したもの)を見た。このトラックには、ものすごい利用者が乗っており、まるでタイなどで見かける風景を思い出させる。また、キューバに来て一番見たかった40〜50年代のクラシックカーを見かけたので早速、地元人と記念撮影した。おそらくこれからは数多くのアメ車を見るのではないかと期待している。
ともかく、無事ハバナに戻り、一旦休憩して夜、文豪ヘミングウェイゆかりのレストランに行った。思っていたより旧市街の中心にあり、店内はビートの効いたラテン音楽がバンドと歌手によって賑やかに歌われ、ヨーロッパから来た旅行者と地元民でボルテージがあがっていた。もちろんバーもレストランも満席であった。幸いわれわれの席はキープされていたので、安心して夕食を摂ることができた。(写真12カクテルで一杯)ヘミングウェイがいつも好んで座っていたた席は彼をかたちどった彫像が当時の格好で保存されていた。私も像と一緒に写真をとってもらった。またヘミングウェイとフィデル・カストロが一緒に写っている写真が所狭しと壁に掛けられていたのが印象深かった。本当にキューバに来たなぁ〜と思わせる場所である。
(第3日目)
9時ホテルを出発して、ハバナ市内を見学した。最初にプンタ要塞を車中から見学して、アルマス広場に向かった。途中通りに面している公園の一角に着物を身につけた銅像が見えた、ガイドさんがあの銅像は日本人の支倉常長という人で仙台藩主伊達政宗の命でヨーロッパへ渡った使節団の大使だ。その途中、1614年にキューバに立ち寄ったのだそうだ。この銅像は仙台育英学園が寄贈したとのことであった。
先ず、ラム酒ハバナ・クラブ博物館を見学した。キューバを代表するラム酒「ハバナ・クラブ」の歴史と製造過程を知ることが出来る施設で、1930年代の製造過程を再現して見せてくれた。帰りにラム酒の大きなボトルを頂いた。
キューバのこの季節は雨期で、気温が33℃で湿度が70%近くもあり、まさに猛暑だった。そんな中、旧市街を散策した。カテドラル、ガルシア・ロルカ劇場、旧国会議事堂(カピトリオ)、市立博物館(旧総督官邸)などを中心に巡った。旧国会議事堂前ではクラシックカーのオンパレードで一見の価値があった。余談だが、現在のキューバにはクラッシクカーは約30%で、2008年のラウル・カストロが国家元首に就任してからアメ車は減少しているとガイドさんが教えてくれた。この国では新車は価格だけではなく、税金もかなり高くほとんどの人は中古車を買うようだ。車のナンバーも、茶色はレンタカー、黄色はタクシー、一般車、青色は公用車と決められている。タクシーは他にココタクシー(ココナツの形をしたもの)がある。
セントラル公園からアルマス広場まで真直ぐに延びるオビスポ通りは、旧市街の中でも昔の面影を想わせる。かつてはこの通りには商店や露店が並び、大変な賑わいをみせていたという。現在でも沢山の旅行者が訪れ、ギター演奏や道化師のパフォーマンスなどが行なわれ思わず足を止めてしまう。
また通り沿いには植民地時代の建築物が並ぶ、中にはヘミングウェイが常宿にしていたホテル・アンボス・ムンドスやコロニアル様式の建物が建ち並んでいた。旧市街を抜けると独立戦争の父カルロス・マヌエル・デ・セスペデスの像が建つアルマス広場に出た。中南米で最古の要塞フエルサがあり、アルマス広場はハバナ発祥の地ともいえる。
街はここから西に拡大されていった。西側にはコロニアルスタイルの建物と美しいパティオを有する旧提督官邸(現・市立博物館)、南側には国立自然歴史博物館などが並び、今でも旧市街の中心になっている。この広場に並んでカテドラル広場があった。
この日の最後に、新市街にある革命広場に行った。この広場はフィデル・カストロ前国家評議会議長が演説する場所として知られ、数十万人もの人が広場を埋め尽くす。これまで中国、天安門広場、ロシアの赤の広場、サン・ピエトロ広場などを見てきたので、この革命広場はさほど大きいと感じなかった。広場を見下ろす18mのホセ・マルティの像が建ち、その後方には109mの記念の塔があった。更に後方にはかつてフィデル、現在はラウル・カストロが執務を取っている共産党本部ビルがあり、更に広場の周りには内務省、情報通信省、郵政省があり、まさに国家の心臓部である。特に内務省の壁に描かれたチエ・ゲバラのモチーフは印象深かった。また、情報通信省ビルの壁にはカストロと共に戦ったカミーロ・シエンフエゴスの肖像が描かれていた。不思議なのはなぜ偉大な革命家フィデル・カストロ氏を象徴すべきモニュメントがないのか!?この答えは次回以降に記載することにする。
市内観光後、ヘミングウェイゆかりのレストランでキューバ料理を堪能してホセマルティ空港からサンチャゴ・デ・クーバに向けて飛び立った。
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