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大韓民国(Republic of Korea)
面積 約10万200平方km 人口 約4,977.3万人 首都 ソウル 民族 韓民族
言語 韓国語 宗教 仏教,プロテスタント,カトリック,その他
外務省HP2012年2月現在基礎データより
新羅千年の古都・慶州
今日本では空前の“韓流ブーム”である。老若男女問わず韓国ドラマ、K−POPに接する機会が実に多くなった。また、スマートフォンなど韓国製の商品も身近になって来た。そんな韓国を、ゴールデンウィークを利用して吉祥寺センターの小澤と4日間の予定で縦断の旅をした。
韓国へは今から15年前の1997年にテレビ番組出演のため、翌々年1999年に経営者を対象にした講演のため二度訪れたことがある。当時韓国はソウルオリンピック後の経済危機のためIMFの管理下にあり、苦境にあえいでいた。しかし、その後国を挙げて経済発展に努力した結果、サムスン電子を始めとする家電メーカー、現代自動車、ロッテは世界企業として大きく飛躍している。
今回の旅は韓国の今と昔を自らの目で検証すると共に、前回行けなかった韓国の田舎を旅してみた。
<第1日目>
ゴールデンウィーク後半の5月3日。この日の朝、暴風雨と言ってもいいくらいの天候の中成田に向かった。搭乗したJL957便は予定の10:00を少し遅れて成田空港を飛び立ち、約2時間のフライトの後無事釜山空港に降り立った。
釜山は名歌“釜山港へ帰れ”で知られるとおりの人口400万人の港町で、海産物が美味しいことでも知られている。今回は残念であったが釜山では観光をせず、すぐ迎えの車に乗り最初の訪問地・慶州(キョンジュ)へ向かった。途中小雨に降られたものの、慶州に着く頃には雨は上がってまずまずの旅のスタートとなった。
慶州は統一新羅の都として栄えた仏教文化の中心地で、以前は韓国民にとって新婚旅行先として定番の町であったと聞く。日本で例えるならば京都・奈良と言ったところであるようだ。地形はまさに京都と同じく盆地で夏暑く冬寒いとの事だが、幸い5月は暑くも寒くもない大変過ごしやすい気候であった。町全体に文化財を約400有し、2000年に市全体がユネスコ世界遺産に登録されている。
車は高速道路を降り、古い町に入って韓国独特の低い甍の建ち並ぶ通りを抜けて大陵苑(デヌンウォン)に到着した。最初にガイドさんには古墳公園だと聞いた。慶州市内には新羅王朝56代の墓約150基が点在しているそうだが、この大陵苑にはその内23基が集中する。中でも発掘当時の模様を再現して展示している天馬塚(チョンマチョン)は石塚の厚さが他の墓より厚く盗賊からの被害から免れ、貴重な副葬品が多く発掘されている。そのいくつかは国宝に指定されているが、23金製の金冠は絶品であった。ところがよく聞くと本物は次に訪れる博物館にあるそうだ。ちなみに王墓をさす“陵”は誰の墓か分かっているもの、“塚”はまだ分かっていないものだと言う。と言うことは、天馬塚は未だどの王の墓なのか不明であるようだ。
さて、国立慶州博物館はそこから程近く世界遺産歴史史跡地区内にあった。ここは新羅千年の文化遺産を一目で見ることが出来る場所だ。門を入って右手には韓国最古にして最大の国宝聖徳大王神鐘があった。
この鐘は鋳造当時音色があまり良くなかったため女の子を人身御供に造り直したところ、美しくも悲しい音になったと言う。新羅文化は金の鋳造技術も秀逸で、館内には先に述べた金冠を始めとする金製品の他、有史以前からの遺物や仏教美術が陳列されていてそれらを全て見学することが出来た。
ここでは遠足か修学旅行の子供たちに多く出くわしたが、その中の一団の児童が女性教師に大きな声で叱責されているのを見た。まったくそれが日本では見られないほどの怒声で本当に驚いてしまった。
これでこの日の観光は全て終了となり、先ずはホテルのチェックインを済ませ、しばらく部屋で休息した後夕食となったが、時間はまだ夕方の5時過ぎだった。メニューは韓定食。次々と運ばれる韓国ならではの料理に舌鼓を打った。この後、旅行中韓国料理を数々頂戴したが、そこでは必ずキムチとナムルなど多くの野菜が並べられて、一品の皿が空っぽになると継ぎ足してくれるのだった。韓定食と一緒に韓国酒マッコリを飲んだが、ちょっとピリッと発酵して酸味があったが私の口には少し甘かったようだ。
ホテルの部屋に戻ってもまだ7時そこそこ、ゆっくり湯船につかってみたもののまだ夜の9時。大変早い就寝となり、途中何度か目覚めて翌朝の観光に備えた。
<第2日目>
前日、早い就寝のため必然的に起床は5時過ぎとなった。天候は快晴。テレビでゴールデンウィーク中ずっと日本の天気が優れないのを知っていただけに、さすが晴れ男だと再認識した。
ホテルで朝食を済ませ、この旅のメインにして韓国が誇る世界遺産・石窟庵(ソッグラム)へ向かった。元々は石仏寺と呼ばれていたが、日帝時代(日本による植民地時代)に現在の呼び名になった。その発見はさほど古くなく、1909年山越えの郵便配達員により雨宿りをしようとした際、偶然発見されている。石窟庵は高さ756mの吐含山の頂き近くにあるため麓から車で7キロほどつづら折りの道を登った後、更に10数分歩いてやっと到着することが出来た。歩く山道は崖を削ったもので柵もなく、危うく転落しそうなほどだった。
御影石で出来た本尊は空調の効いたガラス張りの奥に安置されていて近くから見ることが出来なかったが、わずかに微笑むお顔はさすが新羅仏教美術の最高峰だと謳われるのが頷けた。私は写真撮影禁止とされる本尊を撮ろうと試みたが、ガードマンにマークされて叶わず残念だった。それにしてもよくこの様な山奥にこれだけの仏像を彫ったものだと感心した。ここでも多くの子供たちと出くわしたが、韓国の子供たちは皆とても元気だ。
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